4.フェムト秒の光ストップウォッチ

 時々刻々と変化する過渡現象を時間毎に区切って観察することを時間分解測定といいます。例えば身近な例として、野球選手のバット・スイングのコマ撮り写真がありますが、この場合の時間分解能はカメラのシャッター速度に依存し、たかだかサブミリ秒オーダーです。もしこのような時間分解測定をフェムト秒の超高速時間領域まで拡大できると様々な分野への応用が期待できますが、従来の機械的あるいは電気的手法ではピコ秒の時間分解能が限界でした。しかし、フェムト秒パルス光によって誘起される非線形光学効果を利用すると、フェムト秒の時間分解能が実現できます。このような『フェムト秒の光ストップウォッチ』を利用すると、例えば電子散乱や分子運動のような超高速過渡現象をコマ撮り測定できます。我々の研究室では、この『フェムト秒の光ストップウォッチ』を血糖測定や散乱光除去に応用しています。

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