細胞膜構造測定法の開発


 医薬の分野においては、細胞や組織の生理活性を定量的に評価する方法が望まれている。例えば、医薬の開発において、生体に対する薬理作用の定量的評価が医薬開発サイクルの短縮化のために有効であると考えられている。このような生理活性は、細胞レベルでの形態反応の観点から見ると、生体細胞壁の膜厚や配向状態に顕著に現れると考えられている。したがってこのような動的変化を非破壊・非接触でリアルタイムモニターすることにより細胞の生理活性を定量的評価することが可能になる。
 我々は、以上のことを実現するための手段として、半導体産業で薄膜の厚さや屈折率測定法として実用化されているエリプソメトリー法(偏光解析法)に注目した。エリプソメトリーとは入射光と試料面からの反射光の偏光状態と比較し、その変化から試料表面の薄膜の厚さや屈折率を求める方法である。この原理を利用して、生体細胞壁の膜厚を高精度かつリアルタイムで測定可能なシステムの開発を行なっている。これまでに、生体膜のモデルと成る水面上端分子膜の厚さを高精度かつ迅速に測定した。 



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