7.波長を変換する
フェムト秒パルスレーザー光によって実現される機能の1つに、波長変換があります。例えば、非線形光学効果である高調波発生により、紫外から軟X線領域までの短波長変換が可能です。一方、光伝導素子による双極子放射や非線形光学結晶における差周波発生を利用するとテラヘルツ領域の電磁波が発生し、いわゆる長波長変換が可能になります。このような長波長変換によって発生させたテラヘルツパルス光をフェムト秒パルス光と比較すると、3桁程度波長オーダーが異なり、光波と電波の境界の周波数帯(波長帯)に位置します。その結果、電磁波としての性質は可視光や近赤外光とかなり異なり、光波と電波の両方の性質を有するようになります。このような『光電波』のユニークな特徴を利用した新しい計測手法の開発を行っています。