微量元素を測る

 人間の体は歳をとるにつれて変化していきます。例えば、産まれたばかりの 赤ちゃんの肌と、老人の肌では色つや、さわり心地などが全然違っていますね? この体の変化を"老化"と言います。老化は肌や髪の毛のような目に見える所 だけに起こっているのではなく、目に見えない血管や骨といった体の内部でも 起こっています。そのために歳をとるにつれて動脈硬化症や骨粗鬆症といった 病気にかかりやすくなります。私たちの研究では、これらの老化の中でも 血管に注目して、プラズマを使った分析装置(マイクロ波誘導プラズマ 原子発光分光分析装置)を作って、血管に含まれるカルシウムを測定しています。この研究は奈良医科大学との共同研究です。 では実際にプラズマを見てみましょう。


写真の真ん中に見えている赤い光がプラズマです。 この光の強さから元素の量、光の波長から元素の種類が分かります。 この分析装置を用いて、人の足の動脈に含まれるカルシウムを測定すると・・・


このように動脈のどの部分にカルシウムが多いのか分かります。 カルシウムの多い股の部分は動脈硬化症が起こりやすい所です。 他にもこの分析装置を応用して、フッ素などの環境汚染物質の 分析に取り組んでいます。

戻る