D2の上田です.前編に引き続き,出口先生・齋藤先生がご帰国後も私はUniversity College London (UCL)に共同研究の為滞在させて頂きました.

滞在中は自身の非平衡物理モデルを本共同研究のテーマである超音波刺激に対する細胞応答に拡張し解析を行うフレームワークの開発に励みました.
限られた期間で何かできることを形にしなければというプレッシャーを感じながらも,Reza先生やYousefさんによるサポートのおかげで,これまで触れたことがなかった分野の知見を拡張し,今後の新しい研究発展に繋がる大きな刺激を得ることができました.引き続き本共同研究にて少しでも貢献できるよう励んでいきます.

また滞在中はラボメンバーの皆さんに大変良くして頂きました.
他ラボとの交流も活発で,毎日のランチは研究棟のオープンルームで取る為グループやラボが異なっても気軽に研究やキャリアのお話ができる環境でした.
目の前のことに必死になりがちな研究生活の中で,日常的に幅広い分野からの刺激を受けふと目線をあげて考えるきっかけがあることはとても重要だと感じました.

 

さらに共同研究以外にもいくつかのラボに訪問し研究ディスカッションの機会を頂きました.
興味のある研究者の方々にCV付きのアポ取りメールを送り,一人で突撃訪問し研究プレゼンをさせて頂くという飛び込み営業スタイルの経験をいくつも積めたことは,大変さもありましたがそれ以上にとても刺激的で貴重な経験となりました.

 

ドイツのTU DresdenのBenjamin Friedrich先生を訪問しました(トランジット以外では初ドイツ).
Benjamin先生は自分の論文に初めて面識のない研究者の方からメールでコメントが届き,研究を続けていれば世界のどこかの誰かに届くんだという忘れられない体験をさせて頂いた研究者で,直接お会いできとても嬉しかったです.
先生とのディスカッション,ラボでのセミナー発表,ラボメンバー1人ずつとのディスカッションと長時間にわたり非常に密度の濃い経験をさせて頂きました.
またBenjamin先生からメッセージ付きの本を頂き宝物になりました.

 

Imperial College Londonの Chiu Fan Lee先生を訪問しました.
Lee Groupが掲げる”expands the horizons of physics and biology by studying biological problems that require the development of novel physics”の言葉に惹かれ今回の訪問を依頼させて頂きました.
物理の専門的視点からいくつも大変貴重なコメントを頂き勉強になり,今後より一層深く考えていかなくてはいけない点が明確になりました.

 

UCLのDunlop Carina先生を訪問しました.
数学・物理の観点から自身の研究ひとつひとつにコメントを下さり勉強になりました.またこれからどんな研究やキャリアを歩みたいかという点についても相談に乗って下さり,とても励まされました.

 

本出張中,ラボ訪問は勿論のことパーティーなどでも多くの研究者や学生と会話させて頂きました.その中で国内と違い海外での自己紹介では,大学名など所属組織ではなく,自分がどんな研究をやっていて何ができてこれからどんなことがしたいのか,が勝負になると感じました.
まだまだ何者にもなれていないなと痛感するとともに,もっと面白い研究をしてもっと面白い人間になれるように頑張りたいと思いました.

 

本出張にあたり背伸び経験を沢山できたことはとても有難かったです.
このような大変貴重な機会を頂き,サポート頂いた皆様に感謝致します.
また御支援頂いた,マルチモダルECM若手研究者国際活動支援・阪大基礎工海外研修プログラム,に感謝申し上げます.

 

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沢山”見る”・”話す”・”食べる(飲む)”出張でした.

ロンドンは多くのmuseumがあり無料で見れます.ひとりでも沢山何度も周りました.まだまだ時間が足りずまた行きたいです.

この時期のロンドンはほとんど灰色の気候です.太陽が見れた日は嬉しかったです.レアな晴れの週末観光.

金曜日は大学のfish and chips dayでした(3割で満足しました).またUCLのクリスマスパーティーにも参加させて頂きサンタ帽を被ってワインやビールを飲みながら色んな人と会話させて頂きました.

その他も色々なものを食べて飲みました.Pubで飲む生ぬるいビールが最高でした.飲みベがとても高いロンドンの雰囲気が大好きになりました.

 

ただ一番心に残ったのは大二日酔いの中で食べたロンドン価格の高級ラーメン,寒さと日本食恋しさも相極まり涙が出るほどおいしかったです(ご馳走様でした).

ドレスデン空港にて.初突撃訪問のプレッシャー,全くわからないドイツ語,灰色の気候に不安を感じていたところ,自分以上に不安そうな犬と目が合い元気が出ました.Danke

最後にヒースロー空港で買ったお土産たちは空港においてきてしまいました.ただ物理的なものはなくなっても,思い出は心に残り続けるでしょう.