下記研究会を開催します。

外部の研究者や学生の方も自由にご参加ください。

第50回生物機械システム研究会

【日時】2018年8月10日(金)14:00-16:30
【場所】大阪大学大学院基礎工学研究科 I棟共用セミナー室(2階204室)
(大阪府豊中市待兼山町 1-3)
I棟は下記リンク先地図の70番の建物です
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka/toyonaka.html

【講演者・講演題目】
14:00-15:00 『Left Atrial Function as a Biomarker for Personalized Treatment』
足利洋志先生(Johns Hopkins大学医学部・助教)

15:00-15:30 『胃の中の流れを計算する』
今井陽介先生(阪大基礎工・特任准教授)

15:45-16:15 『コレステロールが細胞膜の力学特性に与える影響の
分子レベルでのメカニズム』
重松大輝先生(阪大MEIセンター・特任助教)

16:15-16:30 『圧肉円筒モデルを用いた心不全心筋シミュレーション』
森下孝臣先生(阪大基礎工和田研・D2)

講演要旨:
——————————
足利洋志先生
Chercheur Invité, L’institut de Rythmologie et Modélisation Cardiaque (LIRYC), Université de Bordeaux, France
Assistant Professor of Medicine, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, Maryland, USA
Attending Physician, Cardiac Arrhythmia Service, Johns Hopkins Hospital, Baltimore, Maryland, USA

講演題目:Left Atrial Function as a Biomarker for Personalized Treatment

概要:The left atrium is one of the top chambers of the heart. The structure and function of the left atrium is much more complex than those of the left ventricle. The principal role of the left atrium is to modulate left ventricular (LV) filling and optimize stroke volume performance by functioning as a reservoir for pulmonary venous return during ventricular systole, a conduit for pulmonary venous return during early ventricular diastole, and a booster pump that augments ventricular filling during late ventricular diastole. Recently, our laboratory reported critical importance of left atrial (LA) function as a biomarker for risk stratification for a variety of disease conditions such as stroke, invasive treatment of atrial fibrillation and sudden cardiac death. I will discuss some of the ongoing projects in our laboratory.

——————————
今井陽介先生
大阪大学大学院基礎工学研究科 特任准教授

講演題目:胃の中の流れを計算する

概要:胃の役割は,食物を貯留,撹拌,排出することである.胃内部の流動は,胃壁の運動によって駆動される.主要なものは蠕動運動であり,胃体部の中央付近で発生した収縮波が,前庭部,幽門へと伝播する.胃内部の流動を実験的に可視化することは未だ困難であり,胃壁の運動と撹拌・排出との関係は十分明らかでない.本講演では,数値流体力学を用いて,胃の中の流れを計算した結果について報告する.

——————————
重松大輝先生
大阪大学国際医工情報センター 特任助教

講演題目:コレステロールが細胞膜の力学特性に与える影響の分子レベルでのメカニズム

概要:コレステロールは哺乳類の細胞膜中に豊富かつ幅広い濃度で存在する分子であり,膜の様々な力学特性に影響していることが知られている.中でも,適度な濃度でのコレステロールの含有は,力学的負荷による細胞膜の破断を抑制することが実験から報告されている.しかし,細胞膜の破断は膜構成分子の再配列に端を発する進行が極めて速い現象である.そのため,その詳細を実験的に観察することは困難であり,膜破断に対するコレステロールの影響のメカニズムには未だ不明な点が多い.本研究会では,分子動力学シミュレーションを用いてコレステロールと膜破断の関係について分子レベルから明らかにしたことを紹介する.

——————————
森下孝臣先生
大阪大学大学院基礎工学研究科 博士後期課程2年

講演題目:圧肉円筒モデルを用いた心不全心筋シミュレーション

概要:病態理解促進のためシミュレーションは重要である。今回、左心室心筋を圧肉円筒状に切り出したモデルに対し、心不全心筋の力学有限要素シミュレーションを行った。①左室駆出率(EF)が保たれた心不全は収縮時の心筋歪み低下が認められているが必ずしもその条件は明確ではない。そこで、様々な心筋厚み、拡張末期圧におけるEF50%を達成する心筋収縮力を計算した。②心臓再同期療法は心室同期不全を補正すると考えられているが、心外膜刺激が心不全を改善している可能性を考え、心内膜側、心外膜側から電気刺激した心筋挙動をシミュレートした。