下記セミナーを開催しますので、ご関心をお持ちの方は奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。学生諸君の参加も大歓迎です。
日時:7月18日(火)10:40-11:40
場所:基礎工学研究科B棟104講義室
(下記リンク先の「建物案内図」内のB棟1階)
http://www.es.osaka-u.ac.jp/ja/access.html
講演者:
眞鍋 康子
首都大学東京人間健康科学研究科 准教授
講演題目:
in vitro骨格筋収縮モデルの開発と医療分野における基礎研究への応用
講演概要:
骨格筋は、全身の40%の重量を占める大きな器官である。これまで、骨格筋を対象とした研究は「動き」を生み出すメカニズムの解明にフォーカスしたものが主流であった。しかし、骨格筋は、単に「動き」を生み出すための器官として存在しているだけではなく、「骨格筋を動かすこと(筋収縮)」が積極的に健康の維持・増進に関わっていることが明らかになってきた。運動(筋収縮)が健康に関係することは、当然のこととして考えられているが、実は運動の何が、どのようなメカニズムを通して全身性の健康維持に寄与しているかについてはほとんどわかっていない。これまで明らかにされてこなかった理由として、骨格筋が生命維持に必須の臓器とは考えられていなかったため医療分野で基礎研究として取り組む対象とされてきていなかったこと、in vitroで運動を模倣する適切なモデルがなく、運動刺激によって筋細胞内で誘導される分子レベルでの変化が検証できなかったこと、などが考えられる。しかし、最近になってQOL維持と健康寿命の延伸には骨格筋が必須の器官であることが明らかにされつつあり、医療・薬学・農学から工学にわたる様々な分野で骨格筋研究への関心が高まっている。
演者の所属するグループでは、骨格筋の収縮(運動)と健康の維持への寄与について研究しており、これまでに様々なin vitro筋収縮モデルを開発してきた。新たな筋収縮モデルの開発は、これまで明らかにされてこなかった筋収縮時の筋細胞内分子応答を検証する上で重要となる。本発表では、我々が開発した筋収縮モデルとそれを用いた応用研究のうち、特に「糖尿病」「マイオカイン」「筋萎縮」をキーワードとした研究を紹介する。