大阪大学ナノ理工学人材育成産学コンソーシアム

平成28年度 第2回ナノ理工学情報交流会

「工と医の学際領域メカノバイオロジーにおけるナノテクノロジーの貢献」

日時:平成28年9月8日(木)13:15~17:20

場所:大阪大学豊中キャンパス文理融合型研究棟3階305号室

「ナノサイエンスデザイン教育研究センター・セミナー室」

遠隔配信地:大阪大学東京オフィス(霞ヶ関)、四日市商工会議所、及び けいはんなプラザ。場所はhttp://www.sigma.es.osaka-u.ac.jp/pub/nano/02_shakaijin/map/Maptop.htm参照。その他、現在ナノ理工学社会人教育プログラムのサテライト教室を開講されている企業様は遠隔講義配信による受講が可能です。配信をご希望の場合には、コンソーシアム事務局(nano-cons@nanoscience.or.jp)までご連絡下さい。

主催:大阪大学ナノ理工学人材育成産学コンソーシアム

共催:大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター

テーマ:メカノバイオロジーとは、生体が周囲環境の力学的刺激に対してどのように応答するかを分子レベルで調べる新しい研究分野である。本情報交流会では、①メカノバイオロジーの基礎と工学に基づく創薬への展開、②1細胞レベル解析のためのバイオMEMSと医療展開、③マイクロ流体デバイスを用いたorgan-on-a-chip技術の開発と骨髄機能の再現、④工学技術導入に向けた創薬業界へのビジネスチャンス、について紹介する。ここではこの分野の魅力を分かり易く解説し、併せて研究開発の現状と問題点を明らかにする。これらを通じて従来のナノテクノロジー応用研究開発に新たな方向性や可能性を探るととともに、バイオテクノロジーや医工連携関連の新しい分野であるメカノバイオロジーへのナノテクノロジーの新たな貢献を探る。

プログラム:

13:15~13:20

はじめに 伊藤 正(コンソーシアム代表理事)

1)13:20~14:10

出口 真次氏(大阪大学大学院基礎工学研究科機能創成専攻 教授)

「メカノバイオロジーの基礎と応用」

要旨:周囲の環境に依存して適応的に性質を変えるのが生命の特徴である。メカノバイオロジーとは、生命が如何に周囲環境の力学的要素を感知し、適応的に振る舞うかを分子レベルで明らかにしようとする、最近注目されている研究分野である。今回の情報交流会では、この基礎研究で得られた知見を説明するとともに、工学の諸技術を駆使して細胞の機能を調節したり、これまでにない創薬に結びつける取り組みについて紹介する。

2)14:10~15:00   

益田 泰輔氏(名古屋大学大学院工学研究科マイクロ・ナノシステム工学専攻 特任准教授)

「バイオMEMSと医療展開の最前線」

要旨:細胞は力学刺激を感知し、応答することで組織形成および機能維持を示すことが知られている。ただし、細胞集団からなる組織(システム)においても、個の細胞は遺伝子発現に違いがみられることが明らかになり、1細胞レベルでの解析の波が世界を席巻している。1細胞解析が飛躍的に躍進している背景には、マイクロ流路などを用いた細胞の分離技術やサンプルの極微量化技術、いわゆるバイオMEMSが大きく貢献している。ここでは、バイオMEMSとその医療展開例について紹介する。

15:00~15:20 休憩 

3)15:20~16:10

鳥澤 勇介氏(京都大学白眉センター、大学院工学研究科マイクロエンジニアリング専 特定准教授)

「Organ-on-a-chip技術と骨髄機能の再現に向けた取り組み」

要旨:マイクロエンジニアリング技術とティッシュエンジニアリング技術を融合することで、細胞の微小環境を再構築し、生体外で細胞機能の保持を目指すデバイス、Organ-on-a-chipの開発が近年検討されている。臓器レベルの細胞機能の再現を目的に、動物実験では評価が困難であるヒトの応答を評価すること、更には個々の臓器モデルをチップ上に配列することで、ヒト体内の挙動のモデル化を目標としている。本発表では、マイクロ流体デバイスを用いたorgan-on-a-chip技術の開発、および骨髄機能の再現に向けた取り組みを紹介する。

4)16:10~17:00

沈 榮燮(シム ヨンソブ)氏(ガートナージャパン株式会社 アソシエイト・ディレクター)

「ライフサイエンスR&Dの技術動向」

要旨:ここ数年「Patent Cliff (特許切れ)」に直面してきた製薬業界では、大型の新薬が出にくい状況が続く中、研究開発(R&D)のコスト削減に注力してきたが、最近、特許切れ薬を売却するなど新たな投資に向けた動きも見せ始めている。今後はこのようにして回収した資金を活用して新しい知見や技術を外部から取り込む動きが加速するものと考えられ、今回の講演では、ライフサイエンスR&D領域で今後進展が予想される技術テーマを俯瞰し、その動向について説明する。

17:00~17:20 名刺交換会(大阪大学豊中キャンパス)

オーガナイザー: コンソーシアム企画運営委員   中山 康子     (株)東芝

コンソーシアム企画運営委員    福井 祥文    (株)カネカ

コンソーシアム企画運営委員    前田 和幸    住友電工(株)

コンソーシアム企画運営委員    村山 浩二    (株)村田製作所

コンソーシアム企画運営委員  山本 宏     BASFジャパン(株)

コンソーシアム企画運営委員    若林 信一    パナソニック(株)  

コンソーシアム企画運営委員   伊藤 正      大阪大学

コンソーシアム企画運営委員  小川 久仁     大阪大学

参 加 費: コンソーシアム会員、学生及び大阪大学教職員は無料

(コンソーシアム企業会員の場合、社内から何名でも無料で参加が可能です)

 四日市商工会議所、関西文化学術研究機構の会員は無料

  上記以外の方は資料作成費等として3000円/人を頂戴します。

参加登録: 氏名、所属、連絡先、受講会場を記載の上、メールにて

大阪大学ナノ理工学人材育成産学コンソーシアム事務局へお申込み下さい。

          E-mail: nano-cons@nanoscience.or.jp

          HP:http://www.nanoscience.or.jp/

登録締切り: 平成28年9月1日(木)

問い合わせ先: 大阪大学ナノ理工学人材育成産学コンソーシアム事務局

TEL:06-6853-6859(FAXと共通)