出口です。さいたま市の鉄道博物館で開かれた機械学会年次大会の懇親会にて、JBSE Papers of the Yearの表彰をしていただきました。本受賞は以前にここで記しましたが、論文の内容について補足しますと、Y.C. Fung先生の著書Biomechanics – Motion, Flow, Stress and Growth (1990) において「flutter現象(流体-構造連成による自励振動)が、血圧測定時のコロトコフ音のように人工的に発生させる場合ではなく、広く動物の自然な生理現象として有効に利用されているかどうかは不明である」との記述がありました。今回の論文では、ヒトの裏声がフラッター現象によって生じることを解析的に主張した以前の研究(Journal of Biomechanics , PLOS ONE)について再度議論を行い、同メカニズムが広く他の動物にも当てはまると考えても差し支えない(従来において発声開始の力学メカニズムとして提案されている粘膜波動説 [mucosal wave theory] や筋弾性-空気力学説 [myoelasitc-aerodynamic theory] とは異なり、導出の仮定や測定結果との比較において特段の齟齬がない)ことを示しました。本テーマは引き続き勉強を続けたいと思いますが、私がFung先生の著書の一節一節から影響を受けたように、私もバイオメカニクス現象の基本メカニズムの研究を通して他者に影響を及ぼすことができれば素晴らしいことだと思います。

 

懇親会の後の修学旅行もとい展示鉄道見学会、および2次会の様子も掲載しておきます。皆様お世話になりありがとうございました。